この腕で一生掛けて
恩返しし続けたい
小さい頃から体が弱く、喘息で入退院を繰り返し、家でも家族と別室で過ごす事が多く、寂しい思いをしていました。
高校生になると同時に虐めに遭い、学校が怖いと親にも話せずにいました。登校するふりをして身を隠す毎日を過ごしていると、徐々に心が病み「私なんて生まれてこなきゃ良かった」と思うようになってしまいました。
その後、学校を辞め働き始めました。どれも長続きせず、転々としている時に、塗装という仕事に出会いました。当時は女性職人はとても珍しく、辞めずにしがみつくので必死でした。なんとか辞めずに続け、この仕事にやりがいを見出し始めた頃、先輩の職人さんから「どうせ男探しでこの世界に入って来たんだろう!」と心無いことを言われました。もの凄く悔しい気持ちで一杯なのと同時に、絶対に負けたくない!という気持ちが湧き腕を磨き続けました。
そんな中、とあるお客様から「貴方が家に来てくれるのが楽しみよ。とっても丁寧ね♪」と言葉を掛けていただきました。何気ない一言のようですが、私にとっては、今までの苦労が全て報われたような気がして、嬉しくて、嬉しくて、子どもの様に泣きついてしまいました。
その後、お陰様で独り立ちさせていただきました。塗装こそが天職だと教えてくれたのはお客様です。生きることの喜びを教えてくれたのもお客様です。だからこそ、この腕で一生を掛けて恩返しし続けたい!これが私のこの仕事に掛ける想いです。