お客様の人生ごと
幸せ色に塗替える
小さい頃に両親が離婚。生みの母親は知りません。育ててくれたのは言葉も文化も違う台湾人の母でした。お母さんの里帰りで台湾にもよく行ったものです。
おばあちゃんには、もの凄く可愛がられ、結婚した時にも、来日してくれて、心から祝ってくれました。しかし、その祖母が亡くなった時、お葬式に参加できず、死に目に会えなかった事を深く後悔しました。お墓参りの墓前では、情けない気持ちがいっぱいになり涙が溢れて止まりませんでした。
やりたい事もなかった20歳。家業が塗装屋という理由で始めたこの道に。鈍臭い私は、親父や叔父に「アホ!ボケ!カス!」「やる気がないなら帰れ!」と毎日のように叱られました。失敗した時には、恐くて親の顔もろくに見れない時があり、何度も辞めようと考えました。
しかし、「俺には塗装しかない!」と信じ、なんとか続けることが出来ました。そんな自分が、ようやく任されるようになった現場終わりに、お客様から「アンタ若いのにええ仕事してくれたなぁ」と感謝の言葉を頂きました。何気ない一言にも思えますが、「こんな自分でも何かを与えられるんや」と鳥肌が立つほど感動し、心が震えたのを今でも鮮明に思い出します。
塗装道こそ天職だと気づかせてくれたのは、紛れもなくお客様でした。だからこそ、お客様の人生ごと幸せ色に塗替えるつもりで恩返しし続けていきたい。そう強く思うのです。これがこの仕事に掛ける私の想いです。