頑張っていれば
いつかは報われる
僕が産まれる前に両親が離婚して、女手1つの母の元で暮らしました。母は昼夜働き、夜は飲食店を経営していました。母から離れられない僕は、飲食店について行き、角の小さな部屋で兄と2人、母と一緒に眠ることができない寂しさを感じながら過ごしていました。保育園の運動会の親子競技では、母は、不参加。兄が僕をおんぶして走ってくれ、寂しい時には、いつだって側で励ましてくれていました。
その後、義務教育を終え、母を支えたい一心で、学費を自分で稼ぎながら通える定時制高校に進学しました。仕事と学校の両立が大変でしたが、無事に卒業する事ができました。卒業と同時に仕事一本になれましたが、安月給の中で働き、何度も辞めよう、逃げようと考えていました。でもある日、塗装工事が完了したお客様夫婦から、手を取り「お願いしてよかった!うちの息子にならんね?笑」と涙を滲ませながら言っていただきました。何気ない一言だったのかも知れませんが、その瞬間に、今までの苦労がパッと光が差し込むが如く、一気に報われた気がしました。帰りの道中で、作業着が涙でびしょ濡れになり、自宅で待つ息子を思いっきり抱きしめたのを覚えております。
頑張っていればいつかは報われる。それを教えてくれたのが、お客様でした。だからこそ磨いてきたこの腕で、一生を掛けてお客様に恩返しし続けたい。幸せ色に塗替え続けたい。これがこの仕事に掛ける僕の想いです。