耳が聞こえないから
こそ武器になる
小さい頃から耳が不自由でした。それが理由で酷いイジメを受けていました。学校へ行けば、トイレに隠れ逃げ回っていました。広大な砂漠にたった一人で取り残されている。そんな感覚だったのを今でも覚えています。両親は共働きだったため、おばあちゃんが面倒を見てくれました。そして、その状況を知って「いじめっ子はあなたより寂しい子なんだよ。だから大丈夫!」何度も、その優しさで包み込みこんでくれました。
16歳になった頃、塗装の仕事を始めました。ハンデがあろうが関係なく待っていたのは、厳しい職人の世界でした。怒鳴られる毎日に悔し涙を流しながら、なんとか続けている内に、「聞こえないから出来ない。」ではなく、『聞こえないからこその武器がある!』と覚悟が決まり、前向きに取り組むようになりました。その甲斐あって遂には、親方として現場を任せていただけることに!!初めて担当したお客様から拍手と共に『若いのに大したもんだ!綺麗になったよ!』とお言葉をいただきました。何気ない一言かも知れませんが、僕にとっては今までの苦労が全て報われたように感じて、嬉し涙が溢れて止まりませんでした。
塗装道こそが天職だと気づかせてくれたのは、お客様だったのです。だからこそ、磨きに掛けたこの腕でお客様に恩返しし続けたい。そう思わずにはいられないのです。これが私のこの仕事に掛ける想いです。