貧困から家族を
救うために…
幼い頃に両親は離婚。3人兄弟の長男として貧困の中育ちました。母が女手ひとつで昼夜問わず働きに出てくれていましたが、生活は苦しく、何とか入れた高校も学費が払えず中退しました。「私のせいでごめんね」と何度も謝る母をみて、胸が張り裂けそうな気持ちになったのと同時に「俺が力にならんと。」と覚悟が決まり、塗装屋さんに働きに出ました。
どん臭い僕は、毎日のように親方に怒鳴られ何度も辞めたいと思いましたが、母ちゃんや家族の為にと必死にしがみつきました。しかし、中卒の安月給では、家族に楽をさせてやる事も出来ず。いつしか「自分は何の役にも立たない無価値な人間なんだ。」と思い込むようになっていました。そんな考えが変わったのは、19歳の頃。初めて一人で任された現場が完成した時です。お客さんが「若いのに良い仕事してくれたね!ありがとう。」と満面の笑みで言ってくれました。恐らく何気ない一言だったと思いますが、自分にとっては、今までの苦労が全て報われた気がして、とめどなく涙が溢れ出たのを鮮明に覚えています。
その後、兄弟は何とか高校卒業。それを見届けると同時に、意を決して独立。人生の伴侶にも出会い、娘にも恵まれました。自分という人間の価値を教えてくれたのも、塗装道こそが天職だと教えてくれたのもお客様でした。今度は僕が、幸せ色を提供し続けて恩返しし続けたい。これがこの仕事に懸ける私の想いです。