お客様に恩返し
し続けたい。
帰りの遅い両親を弟と2人で肩を寄せ合って待っていました。本当は、寂しい気持ちで一杯でしたが、頑張って働く両親の姿を見て、わがままを言わないよう、弟に言い聞かせながら堪えていました。高校に進学すると、遊ぶことに夢中になり、私も弟も中退し、両親には迷惑をかけました。
このままではダメだと思い紹介されたのが塗装業です。初めて現場を見た時、職人さんの手仕事を目の当たりにし「これだ!」と衝撃を受けました。ですが、当然、甘い世界ではなく、悔しい思いもしました。それでも、必死にしがみつき腕に磨きをかけ、初めて現場責任者として任された時のことです。お客様から「どんどん綺麗になるから家に帰ってくるのが楽しみ!」とお声がけいただきました。その瞬間にやはりこれが「天職だ!」と確信が生まれ、遂には、独立させていただきました。
私とよく似ている弟もたまたま、同じ塗装業に就いていました。良き相談相手でライバルでもありましたが、若くしてガンを患いました。闘病中も弱音を吐かず、早く仕事に復帰したいと話していましたが、想いは叶わずわずか◯◯という歳で旅立ちました。 この仕事が大好きだった弟の積年の想いを私が引き受け、お天道様に胸を張れる手仕事を届けたい。塗装道こそ天職だと気づかせてくれたお客様に恩返しし続けたい。これがこの仕事に掛ける私の想いであり、果たすべき使命だと思っています。