この手仕事で
お客様に恩返し
小さい頃から母子家庭で育ち、母は仕事のため鹿児島市に住み、私は遠く離れた伊佐市で祖母と2人暮らしでした。週末は大好きなお母さんが来るのでワクワクしながら1日をすごし、日曜日の夜は、もう帰ってしまうと、寂しくて寂しくて車が消えるまでずっと見つめていました。「一緒に居たい。」という言葉で母を困らせたくないと子どもながらにぐっと堪えていました。 小学5年時から母と住めるようになりましたが、私を養う為に母は朝も夜も働いていました。そんな姿を見て、力になりたいと高校生からバイトに励み学校を辞める事にしました。稼ぐ事だけを目的に生きていました。 日々を乗りこなす中で「やりがいとは、なんだろう。」と疑問を持ち始めました。ご縁があり塗装業に従事した時は、大切なご自宅を、こんな僕が色を塗っていいのかと物凄く不安でしたが、手に職をつければ母の力になれるはずだと、毎日、怒鳴られながらも必死にしがみついて続けました。初めて、私が班長として塗装したお客様から「綺麗になって良かった。ありがとう」と言われた時には、思わず笑顔になり今までの苦労が全て報われた気がしました。帰りの車内はいつもよりお喋りだったのを覚えています。 こんな私に、生きがいを与えてくれたお客様が大好きで、何があってもこの手仕事でお客様に恩返しし続けたい、女で一人で育ててくれた母に恥じぬ内容の仕事をし続けたい。これが私の仕事に対する熱意と想いです。
代表 山口 享宏