波乱万丈人生
恩人はお客様
小さい頃から頻繁に起こる親の喧嘩を目の当たりにして、シクシク泣いていました。それでも、両親のことが大好きでしたし、ふと垣間見る仲の良い姿には心から安堵しました。ですが、小学2年生の頃に離婚になり、父に引き取ってもらった僕は、大好きな母に会えなくなってしまいました。そこから中学生になるまでに3人の新しい母に変りお父さんからも「生みの親ではないんだ。」と告げられた時は、奈落の底に落とされたかのような孤独感に襲われたのを今でも覚えています。
それから学校にも通わなくなり、フラフラしている時に塗装業に出会いました。最初でこそ、仕事を覚えるまでに、職人気質の親方に、怒鳴られる日々で大変でしたが、そんな日々を乗り越えていけたのも、波瀾万丈な生活で心強く育ててくれた父のお陰だと今では、とても感謝しています。その後12年の修行を経て、初めて親方として任された現場の話です。「若いのにいい仕事するね!いつも丁寧にありがとう!」と仰っていただきました。何気ない一言に感じるかもしれませんが、僕にとっては今までの苦労が一瞬にして報われた気がして熱いものがこみ上げると同時に「天職だ!」と気づかせていただきました。人生の素晴らしさと自分の存在価値を教えてくれたのも、紛れもなくお客様です。その恩人である皆様に、磨いてきた腕で恩返しし続けたい。これがこの仕事に懸ける想いです。
代表 北林 風馬