会えなくなるのが
寂しい
その言葉から今へ
小さい頃に両親が離婚をし、母と 2 人で暮らしていました。中学に上がると、見知らぬ男性が家に来るようになり、お母さんの新しい彼氏だと悟りました。多感な年頃の僕は、得も言われぬ気持ちになり、何を信じていいのか分からなくなってしまいました。彼氏と一緒に居る姿から目を背けたくて逃げるように夜遊びと非行を繰り返し、学校も辞めました。気がつけば嫌な事があると逃げる癖がついていました。
そんな中、友人からの誘いでこの道に入りました。ドン臭い僕は、怒られ殴られの毎日。それでも何とかしがみつき続け20歳になった時、お酒の力を借りて親方に、自分の生い立ちを話しました。歳の差関係なく向き合ってくれる姿をみて、いつかこの人達に認められたいと、より一層、気持ちが奮い立たされました。
初めて1人で現場を任された最終日の話です。施主様が涙を浮かべ「ありがとう。会えなくなるのが寂しい。」と仰ってくれました。若い僕は、溢れ出そうな涙を堪えて、全身に鳥肌がたつ程、感動した事を今でも鮮明に覚えています。「こんな俺を必要として泣いてくれる人がいるんだ!」と今までの苦労が一気に報われた気がしたのと同時に、この仕事こそが天職だと気づかせていただきました。その後、26歳で独立させていただき今に至ります。磨き続けたこの腕で、居場所を与えてくださったお客様を幸せ色にして、恩返し続けたい。これがこの仕事に掛ける私の信念です。
