祖父に誓った
仕事への信念
小さい頃から、いろんな所へ遊びに連れて行ってくれるお父さんが大好きでした。しかし、歳を重ねるごとに自分の父だけが、ずっと家にいる違和感に薄々、気づき始め、働いていないのに平然を装って見栄を張っているその背中が小さく見えてしまい、距離を置くようになってしまいました。そんな時期に家族からお父さんが職を失っていたことを直接知らされました。これが両親からの限界のメッセージだったそうです。見栄を張っていたことに疲れ、僕たち兄弟も大きな重荷になっていたと告げられました。改めて現実を突きつけられた僕はパニック状態に陥り、目の前が真っ暗になり悪さもするようになってしまいました。
その後、金銭的な問題もあり15歳で職人の世界に飛び込み、塗装という仕事に出会いました。人の役に立てることにやりがいを感じ、夢であった独立も果たしたある日、僕をずっと見捨てずに陰で支えてくれていたおじいちゃんが他界しました。亡くなる間際には、『ありがとう、翼に出会えてよかった』と、か弱い声で言い放ち言い目を閉じました。
その後に、親族に聞かされ知ったのですが、祖父も塗装屋だったそうです。孫に気負いさせちゃ行けないとずっと黙っていました。この仕事につけた事は運命だと思っています。天国で見守る祖父に恥じないようお客様を『幸せ色に塗り替え続ける』これだけは絶対に曲げられない私の信念です。